試験ガイド / AI Practitioner
Foundational

AI Practitioner

試験概要

AWS Certified AI Practitioner(AIF-C01)は、AWS の AI / ML / 生成 AI サービスに関する基礎知識を問う Foundational レベルの認定試験で、2024 年に新設されました。生成 AI の急速な普及を背景に、ビジネス側の意思決定者からエンジニアまで幅広く受験者を集めている注目資格です。試験時間は 90 分、出題数は 65 問(採点対象 50 問+未採点の評価用 15 問)、合格スコアは 1000 点満点中 700 点です。出題は「AI と ML の基礎(20%)」「生成 AI の基礎(24%)」「基盤モデルの応用(28%)」「責任ある AI のガイドライン(14%)」「AI ソリューションのセキュリティ・コンプライアンス・ガバナンス(14%)」の 5 ドメインで構成されます。生成 AI 関連(ドメイン 2+3 で 52%)が半分以上を占めることが特徴で、Amazon Bedrock を中心とした基盤モデル活用、RAG、責任ある AI のキーワード理解が合否を分けます。合格後は ML Engineer Associate(MLA-C01)や Generative AI Developer Professional(AIP-C01)に進むのが推奨ルートです。

対象者・前提知識

AI / ML / 生成 AI の基礎概念を体系的に学びたい方、生成 AI を業務やプロダクトに取り入れる検討段階にある方に最適な試験です。プログラミングや深い数学知識は不要で、AWS の AI / ML サービスの全体像と代表的な活用シナリオを理解していれば合格を目指せます。AI プロジェクトの企画に関わるビジネスアナリスト・プロダクトマネージャー、データ活用を担うデータサイエンティスト・アナリストの入門資格、開発者・SA が生成 AI 領域に踏み出す第一歩、コンサルタント・営業職が顧客提案の幅を広げる学習目標として有効です。Cloud Practitioner(CLF-C02)と並行取得する受験者も多く、AWS 全体像と AI 領域を同時にカバーできる効率的なペアリングです。合格後はさらに ML 寄りなら MLA-C01、生成 AI アプリ開発寄りなら AIP-C01 へ進むのが王道です。

ドメイン構成

AI と ML の基礎
20%
AI と ML の基礎(20%)では、教師あり・教師なし・強化学習の違いと代表ユースケースの対応付けが基本です。回帰(数値予測)・分類(カテゴリ予測)・クラスタリング(グループ化)・異常検知の使い分け、モデル評価指標(精度 Accuracy・再現率 Recall・適合率 Precision・F1 スコア・AUC-ROC)の意味と、医療診断のように偽陰性のコストが高いケースでは Recall を重視するといった指標選択の判断軸を押さえましょう。SageMaker の標準パイプライン(データ準備 → 学習 → 評価 → デプロイ → モニタリング)の流れと、SageMaker Canvas によるノーコード ML、Transfer Learning(転移学習)の概念、過学習と正則化の対処法(データ追加・ドロップアウト・正則化項)も基本知識として整理しておきましょう。
生成 AI の基礎
24%
生成 AI の基礎(24%)では、LLM の仕組み(トランスフォーマーアーキテクチャ・自己注意機構の概要レベル)、基盤モデル(Foundation Model)の概念、ファインチューニングと RAG の使い分けが核心です。プロンプトエンジニアリングの代表手法(Zero-shot=例なし・Few-shot=例提示・Chain-of-Thought=段階的思考促進)の違いと、推論パラメータ(temperature=出力ランダム性・Top-K / Top-P=候補トークン制限・Max tokens=最大長・Stop sequences=停止文字列)の効果を理解しましょう。ハルシネーション(事実に基づかないもっともらしい誤情報の生成)の定義と、RAG・低温度設定・Guardrails の Contextual Grounding Check による軽減策はほぼ確実に出題されます。エンベディングとベクトル DB の関係性、マルチモーダル AI(画像+テキスト)の概念も押さえましょう。
基盤モデルの応用
28%
基盤モデルの応用(28%)は最大比重ドメインです。Amazon Bedrock の 3 大機能の役割を 1 行で説明できる状態を目指しましょう(Knowledge Bases=マネージド RAG・Agents=ツール呼び出しと多段推論・Guardrails=コンテンツと話題のフィルタリング)。Amazon Q Business(社内データを横断する社員向けアシスタント)と Amazon Q Developer(コード生成・レビュー・IDE 統合)の用途の違い、Amazon Q in Connect によるカスタマーサポート支援も頻出です。事前学習済み AI サービス(Rekognition=画像・動画・Comprehend=感情分析・エンティティ抽出・Textract=文書 OCR・Forms 抽出・Transcribe=音声認識・Polly=音声合成・Translate=翻訳)はサービス名 → 入力データ → 出力データのセットで暗記しましょう。チャットボット・要約・コード生成・カスタマーサポート自動化といった代表ユースケースに対する適切なサービス選択が問われます。
責任ある AI のガイドライン
14%
責任ある AI のガイドライン(14%)では、公平性・透明性・説明可能性・プライバシー・安全性の 5 原則を試験全体の横断テーマとして押さえましょう。バイアスの種類(データバイアス=学習データの偏り・選択バイアス=サンプリング偏り・アルゴリズムバイアス=モデル設計起因・測定バイアス=ラベル付け偏り)と検出・軽減方法を整理し、Amazon SageMaker Clarify によるバイアス分析と説明可能性レポート(SHAP 値)の用途を理解しましょう。Human-in-the-loop(HITL)が必要な高リスクユースケース(融資・採用・医療診断・法的判断)の判断基準、Model Card による透明性確保、AI ガバナンスの 3 要素(ポリシー・プロセス・ツール)も学習対象です。モデルドリフト検出(SageMaker Model Monitor)の必要性も押さえておきましょう。
AI ソリューションのセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス
14%
AI ソリューションのセキュリティ・コンプライアンス・ガバナンス(14%)では、Bedrock の VPC エンドポイント(インターフェース型)によるプライベートアクセス、KMS による暗号化(保存時・転送時)、IAM ポリシーによるモデル別アクセス制御が頻出です。Model Invocation Logging を CloudWatch Logs / S3 に出力して監査証跡を残す仕組み、SageMaker の VPC 内トレーニングとネットワーク分離、PII(個人情報)の自動検出と Bedrock Guardrails による Sensitive Information マスキングも重要です。AWS Artifact によるコンプライアンスレポート(SOC・ISO・PCI DSS)取得、データレジデンシー要件(特定リージョンでの処理保証)、EU AI Act のリスク分類概念、モデルバージョン管理と監査証跡の関係性も押さえておきましょう。

出題傾向

生成 AI 関連の出題が試験全体の半数以上を占め、特に「基盤モデルの応用(ドメイン 3、28%)」が最大比重の分野です。Amazon Bedrock を中心に、Knowledge Bases(RAG 構築)・Agents(ツール呼び出し)・Guardrails(コンテンツフィルタリング)の 3 大機能の役割を 1 行で説明できる状態が求められます。Amazon Q Business(社内データ横断検索)と Amazon Q Developer(コード生成・レビュー)の用途の違いも頻出ポイントです。

「生成 AI の基礎(ドメイン 2、24%)」では、LLM の基本概念、ファインチューニングと RAG の使い分け、プロンプトエンジニアリング(Zero-shot / Few-shot / Chain-of-Thought)、トークン・コンテキストウィンドウ・温度(temperature)・Top-K / Top-P といった推論パラメータが繰り返し問われます。ハルシネーション(幻覚)の定義と、RAG・低温度設定・Guardrails による軽減策はほぼ確実に出題される定番テーマです。

「AI と ML の基礎(ドメイン 1、20%)」では、教師あり・教師なし・強化学習の違い、回帰・分類・クラスタリングの代表ユースケース、モデル評価指標(精度・再現率・F1 スコア・AUC-ROC)の意味と適用場面、過学習と正則化、SageMaker パイプラインの流れが基本問題として出題されます。

「責任ある AI のガイドライン(ドメイン 4、14%)」では、公平性・透明性・説明可能性・プライバシー・安全性の 5 原則と、SageMaker Clarify によるバイアス検出、Model Card による文書化、Human-in-the-loop の必要性が問われます。

「セキュリティ・コンプライアンス・ガバナンス(ドメイン 5、14%)」では、Bedrock の VPC エンドポイント・KMS 暗号化・IAM によるモデルアクセス制御、Model Invocation Logging による監査証跡、AWS Artifact によるコンプライアンス文書取得が出題範囲です。

学習のポイント

まず機械学習の 3 種類(教師あり・教師なし・強化学習)の違いと代表的なアルゴリズムの用途を整理しましょう。「スパム分類 → 教師あり分類」「顧客セグメンテーション → 教師なしクラスタリング」「ロボット制御・ゲーム AI → 強化学習」のように、概念 → 代表ユースケース → 入力データ形式の 3 点セットで覚えると応用が効きます。

生成 AI の基本用語(LLM・基盤モデル・ファインチューニング・RAG・エンベディング・ベクトル DB・トークン・コンテキストウィンドウ・温度パラメータ)は必ず押さえましょう。特に RAG は「外部データを検索して LLM に渡すことで、最新情報の反映・根拠引用・ハルシネーション軽減を同時に実現する」仕組みを自分の言葉で説明できる状態が理想です。逆にファインチューニングは「モデルの重みを更新して出力スタイルやドメイン語彙を固定する手法」で最新情報反映には適さない、という対比も頻出です。

AWS の AI / ML サービスは 3 層で整理すると全体像が掴みやすくなります。第 1 層が事前学習済み AI サービス(Rekognition=画像・Comprehend=NLP・Textract=OCR・Transcribe=音声認識・Polly=音声合成・Translate=翻訳・Lex=チャットボット)、第 2 層が ML プラットフォーム(SageMaker / Canvas / Clarify)、第 3 層が生成 AI サービス(Bedrock・Amazon Q Business・Amazon Q Developer)です。「既製機能 → 第 1 層」「自前学習 → 第 2 層」「LLM 活用 → 第 3 層」で使い分けましょう。

責任ある AI の 5 原則(公平性・透明性・説明可能性・プライバシー・安全性)は試験全体を通じて問われる横断テーマです。SageMaker Clarify(バイアス検出・説明可能性)と Bedrock Guardrails(生成 AI 出力の安全制御)の役割の違い、Human-in-the-loop が必要な高リスクユースケース(融資・医療・採用)の判断基準も押さえましょう。

公式の AWS Skill Builder「Exam Prep: AWS Certified AI Practitioner」と「Generative AI Learning Plan」は試験範囲を網羅する優良無料教材です。Foundational 試験のため深い実装知識は不要で、用語と AWS サービスの役割を即答できる状態を目指しましょう。合格後は AIP-C01 または MLA-C01 が推奨ルートです。