試験ガイド / Cloud Practitioner
Foundational

Cloud Practitioner

試験概要

AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C02)は、AWS クラウドの基礎知識を体系的に問う Foundational レベルの認定試験で、AWS 認定試験全体の入り口に位置づけられます。試験時間は 90 分、出題数は 65 問(うち採点対象 50 問、未採点の評価用 15 問が混在)で、合格スコアは 1000 点満点中 700 点です。出題は「クラウドのコンセプト(24%)」「セキュリティとコンプライアンス(30%)」「クラウドテクノロジーとサービス(34%)」「請求、料金、サポート(12%)」の 4 ドメインで構成され、特定の技術領域に偏らずバランスよく学習することが求められます。試験ではコマンド操作や深い実装知識ではなく、「なぜ AWS を使うのか」「どのサービスがどんな課題を解くのか」というビジネスとサービスの結びつきを問う出題が中心です。CLF-C02 の合格は、Solutions Architect Associate(SAA-C03)や Developer Associate(DVA-C02)など Associate レベル試験への足がかりとして最適なステップになります。

対象者・前提知識

IT の実務経験がない方でも 1〜2 か月の学習で合格を目指せる、もっとも入門に向いた AWS 認定試験です。AWS 公式は「6 か月程度 AWS クラウドに触れた経験」を推奨していますが必須ではなく、クラウド移行を検討するビジネス意思決定者、これから AWS を学び始める開発者・インフラエンジニア・QA、提案や見積もりに携わる営業・プリセールス、プロジェクトを推進する PM・PMO、人事や経理など IT 部門外のメンバーまで幅広く対象とします。技術系のキャリアに進む方は、CLF-C02 で全体像を掴んだうえで Associate レベル(SAA-C03 / DVA-C02 / SOA-C02)へ進むのが王道ルートです。生成 AI に関心のある方は、CLF-C02 と AI Practitioner(AIF-C01)を並行取得することで、クラウド基盤と AI 活用の両面から知識を補強できます。

ドメイン構成

クラウドのコンセプト
24%
クラウドのコンセプト(24%)では、クラウドコンピューティングの 6 つの利点、AWS Cloud Adoption Framework(CAF)の 6 つの視点(ビジネス・人材・ガバナンス・プラットフォーム・セキュリティ・運用)、6R 移行戦略(Rehost・Replatform・Refactor・Repurchase・Retain・Retire)、IaaS / PaaS / SaaS の責任範囲の違いを押さえましょう。Well-Architected フレームワークの 6 つの柱(運用上の優秀性・セキュリティ・信頼性・パフォーマンス効率・コスト最適化・持続可能性)は必須暗記事項で、各柱に対応する設計原則と代表サービスをセットで覚えると応用が効きます。AWS グローバルインフラストラクチャの構成要素(リージョン・アベイラビリティーゾーン・エッジロケーション・Local Zones・Wavelength)の違いと使い分けも頻出ポイントです。
セキュリティとコンプライアンス
30%
セキュリティとコンプライアンス(30%)は最大の出題比率を占める重点ドメインです。共有責任モデルの正確な理解を起点に、IAM の 4 要素(ユーザー・グループ・ロール・ポリシー)、最小権限の原則、ルートユーザー保護のための MFA 必須化を学びましょう。AWS Organizations と SCP(Service Control Policy)によるマルチアカウント統制、CloudTrail による API 監査ログ、AWS Config によるリソース構成変更追跡の役割の違いを区別できることが重要です。脅威検出・保護系では GuardDuty(脅威検出)・Inspector(脆弱性評価)・Macie(S3 の機密データ検出)・Security Hub(一元管理)・Shield(DDoS 防御)・WAF(Web アプリ保護)・Artifact(コンプライアンス文書取得)の用途を 1 行で説明できる状態を目指しましょう。
クラウドテクノロジーとサービス
34%
クラウドテクノロジーとサービス(34%)は出題数最多のドメインです。EC2 のインスタンスタイプファミリー(汎用・コンピューティング最適化・メモリ最適化・ストレージ最適化・高速コンピューティング)と料金オプション(On-demand / Reserved Instances / Savings Plans / Spot / Dedicated Hosts)の使い分け、S3 のストレージクラス階層(Standard / Intelligent-Tiering / Standard-IA / One Zone-IA / Glacier Instant Retrieval / Glacier Flexible Retrieval / Glacier Deep Archive)の選択基準、RDS・Aurora・DynamoDB・ElastiCache の特徴の違いを整理しましょう。VPC・サブネット・インターネットゲートウェイ・NAT ゲートウェイ・セキュリティグループ・ネットワーク ACL の役割、Lambda + API Gateway によるサーバーレス、ECS / EKS / Fargate のコンテナ選択、CloudFront / Route 53 / Global Accelerator のエッジサービス、CloudWatch(メトリクス・ログ)と CloudTrail(API 監査)の違いも頻出です。
請求、料金、サポート
12%
請求、料金、サポート(12%)は出題比率は小さいものの取りこぼしを避けたい得点源です。サポートプラン 4 段階(Basic は無料・Developer は技術サポートメール・Business は 24/7 電話+本番障害 1 時間以内応答・Enterprise On-Ramp と Enterprise は TAM 付き)の違いと、料金とサポート範囲のトレードオフを正確に押さえましょう。Trusted Advisor の 5 カテゴリ(コスト最適化・パフォーマンス・セキュリティ・耐障害性・サービスクォータ)はプラン別の利用可能チェック数の違いも問われます。コスト管理ツールは Pricing Calculator(事前見積もり)・Cost Explorer(過去利用分析)・AWS Budgets(予算アラート)・Cost and Usage Report(明細出力)・Cost Categories(カスタム分類)の役割分担を区別し、Consolidated Billing による Volume Discount とリザーブドインスタンス共有の仕組みも学習しましょう。

出題傾向

出題の最大の特徴は「なぜ AWS を使うのか」というビジネス価値の理解を問う問題が多い点で、TCO 削減・俊敏性・グローバル展開・従量課金・運用オーバーヘッド削減といったキーワードが選択肢の判断軸になります。共有責任モデル(Shared Responsibility Model)はほぼ毎回出題される定番テーマで、「AWS が責任を持つ範囲(物理ハードウェア・データセンター・ハイパーバイザー・マネージドサービス基盤)」と「顧客が責任を持つ範囲(OS パッチ・アプリケーション・データ暗号化・IAM 設定)」の境界を、IaaS / PaaS / SaaS のサービス種別ごとに正確に区別できることが重要です。

セキュリティとコンプライアンスドメインは出題比率 30% と最大で、IAM の基本構成(ユーザー・グループ・ロール・ポリシー)、MFA、AWS Organizations と SCP、AWS Artifact のコンプライアンスレポート、AWS WAF / Shield / GuardDuty / Inspector / Macie / Security Hub といった検出・防御サービスの役割を横断的に把握する必要があります。

クラウドテクノロジーとサービス(34%)では、EC2 の料金オプション(On-demand / Reserved Instances / Savings Plans / Spot)、S3 のストレージクラス(Standard / IA / One Zone-IA / Glacier 系)、RDS・DynamoDB・Aurora の使い分け、VPC・サブネット・セキュリティグループの基本、Lambda / API Gateway を中核とするサーバーレス、CloudFront / Route 53、CloudWatch / CloudTrail の違いがシナリオ問題で繰り返し問われます。

請求、料金、サポート(12%)では、サポートプラン 4 段階の比較(Basic / Developer / Business / Enterprise On-Ramp / Enterprise)、Trusted Advisor の 5 カテゴリ(コスト最適化・パフォーマンス・セキュリティ・耐障害性・サービスクォータ)、AWS Pricing Calculator・Cost Explorer・AWS Budgets・Consolidated Billing の使い分けが頻出で、選択肢に複数の似たサービスが並ぶため「何を可視化するか」「いつ通知するか」を区別できることが鍵となります。

学習のポイント

まず「クラウドコンピューティングの 6 つの利点」(先行投資不要・キャパシティ予測不要・規模の経済・俊敏性向上・データセンター運用不要・数分でグローバル展開)と「Well-Architected フレームワークの 6 つの柱」(運用上の優秀性・セキュリティ・信頼性・パフォーマンス効率・コスト最適化・持続可能性)を確実に暗記しましょう。CLF-C02 ではこの 2 つを土台にした抽象問題が必ず数問出題されます。

共有責任モデルは紙やホワイトボードに図を描いて理解することを強く推奨します。EC2(IaaS)・RDS(PaaS)・S3(マネージドストレージ)・Lambda(サーバーレス)でそれぞれ責任分界点が異なるため、「サービス種別 × OS / パッチ / ネットワーク制御 / データ暗号化」のマトリクスで整理すると応用が利きます。

AWS の主要サービスは「何ができるか(用途)」と「どんな課題を解くか」をセットで覚えるのが効果的です。試験では「〜したい場合、どのサービスを使うか」というシナリオ形式が中心なので、サービス名 → 一行説明 → 代表的ユースケースの 3 点セットで暗記カードを作ると効率的です。

料金については、AWS Pricing Calculator で実際に EC2・S3・RDS の見積もりを作成してみると体感として理解が深まります。AWS Free Tier の対象サービスと制限(12 か月無料・常時無料・トライアル)の違いも整理しておきましょう。

公式の AWS Cloud Practitioner Essentials(無料デジタルトレーニング)と AWS Skill Builder の Exam Prep コンテンツは試験範囲を網羅した優良教材です。模擬試験は AWS 公式のオフィシャル模擬問題と Skill Builder の Cloud Quest を活用し、不正解問題は必ず公式ドキュメントで裏付けを取りましょう。合格後は SAA-C03(Solutions Architect Associate)または AIF-C01(AI Practitioner)が次のステップとして推奨されます。