Amazon EC2
Amazon Elastic Compute Cloud
概要
Amazon EC2 は、必要なときに必要なだけ仮想サーバー(インスタンス)を起動できるクラウド上のコンピューティングサービスです。物理サーバーを購入・設置する代わりに、数分でOS付きの計算リソースを確保し、不要になれば停止・削除できます。CPU・メモリ・ストレージ・ネットワーク性能の異なる多数のインスタンスタイプから用途に合わせて選択でき、課金は原則として起動した時間に対して発生します。スケールアップ(性能の高いタイプへの変更)とスケールアウト(台数増)の両方に対応し、Web/アプリケーションサーバーからバッチ処理、機械学習まで幅広い基盤になります。
主要な概念
インスタンスタイプとファミリー
インスタンスは用途別にファミリーへ分類されます。汎用(M/T系)、コンピューティング最適化(C系)、メモリ最適化(R/X系)、ストレージ最適化(I/D系)、高速コンピューティング(GPUのP/G系)などがあり、末尾の数字は世代を表します。T系はベースライン性能を超えるとCPUクレジットを消費するバースト型で、変動の大きい軽量ワークロードに向きます。
購入オプションと料金モデル
オンデマンドは長期契約なしで秒単位(最低1分)課金され、検証や短期利用に適します。Savings Plans やリザーブドインスタンスは1〜3年の利用コミットで大幅な割引を受けられます。スポットインスタンスは余剰容量を最大90%程度の割引で使える一方、容量回収時に中断される可能性があるため、中断耐性のあるバッチやステートレス処理に向いています。
AMIとユーザーデータ
AMI(Amazon Machine Image)はOSや初期ソフトウェアを含む起動テンプレートで、同一構成のインスタンスを再現性高く量産できます。起動時に渡すユーザーデータスクリプトを使えば、初回ブート時にパッケージ導入や設定を自動実行でき、Auto Scaling と組み合わせた自動構築の基礎になります。
EBSとインスタンスストア
EBS はインスタンスから独立したネットワークブロックストレージで、インスタンスを停止・終了してもデータが残り、スナップショットで S3 にバックアップできます。一方インスタンスストアは物理ホストに直結した一時ストレージで高速ですが、停止・終了でデータが消えます。永続性が必要なら EBS、スクラッチ領域ならインスタンスストアという使い分けが基本です。
セキュリティグループと配置
各インスタンスにはステートフルな仮想ファイアウォールであるセキュリティグループを適用し、許可ルールのみでイン/アウトバウンドを制御します。可用性を高めるには複数のアベイラビリティーゾーンにインスタンスを分散し、ELB と Auto Scaling を組み合わせます。プレイスメントグループを使うと、低レイテンシ(クラスタ)やハードウェア分散(スプレッド)といった配置戦略を指定できます。
典型的なユースケース
- Web/アプリケーションサーバーをロードバランサー配下で複数AZに冗長化して運用する
- スポットインスタンスを活用した大規模バッチ処理やレンダリングでコストを抑える
- GPU搭載インスタンスで機械学習の学習・推論ワークロードを実行する
- オンプレミスからのリフト&シフトで既存アプリをそのまま仮想サーバーへ移行する
- Auto Scaling と連携し、需要に応じて台数を自動増減させる弾力的な基盤を構築する
試験での出題観点
EC2 は CLF から SAP まで全試験の土台となるサービスです。CLF では料金モデル(オンデマンド/リザーブド/スポット)の違いと責任共有モデルが問われます。SAA では「中断しても良いバッチならスポット」「予測可能な定常負荷ならSavings Plans」といったコスト最適化と、複数AZ配置による可用性設計が頻出です。SOA では EBS スナップショットの運用やインスタンスのトラブルシュート、DVA ではユーザーデータや IAM ロールによる認証情報の受け渡しが論点になります。「永続性が必要か」「中断耐性があるか」「定常か変動か」を要件から読み取る訓練が得点に直結します。
関連サービス
最終更新日: 2026-06-24
本ページの内容は、AWS公式ドキュメントを基に作成し、運営者が編集・監修しています。詳しくは編集・品質管理方針をご覧ください。