サービス解説 / Amazon S3
ストレージ

Amazon S3

Amazon Simple Storage Service

概要

Amazon S3 は、容量無制限でファイル(オブジェクト)を保存できるオブジェクトストレージサービスです。データはバケットと呼ばれる入れ物にキー(パス状の名前)付きで格納され、HTTP/HTTPS API でどこからでもアクセスできます。99.999999999%(イレブンナイン)という極めて高い耐久性を設計目標とし、複数施設にデータを冗長化します。静的ウェブサイトのホスティング、バックアップ、データレイク、ログ集約、メディア配信の元データなど、用途は非常に広く、多くの AWS サービスのデータ置き場としても機能します。

主要な概念

ストレージクラス

頻繁にアクセスする標準(Standard)、低頻度アクセス向けの Standard-IA / One Zone-IA、アクセスパターンが読めない場合に自動で階層を移すIntelligent-Tiering、そしてアーカイブ向けの Glacier 各クラスがあります。クラスごとに保存単価・取り出し料金・取り出し時間が異なり、アクセス頻度と取り出し速度の要件に応じて選び分けることがコスト最適化の鍵です。

ライフサイクルポリシー

オブジェクトの経過日数などの条件で、ストレージクラスを自動的に移行(例: 30日後にIAへ、90日後にGlacierへ)したり、不要になったオブジェクトを自動削除したりできます。ログやバックアップのように時間とともに価値が下がるデータを、人手をかけずに安価な階層へ落とし込めます。

バージョニングとオブジェクトロック

バージョニングを有効にすると、同じキーへの上書きや削除でも過去バージョンが保持され、誤操作やランサムウェアからの復旧が可能になります。削除時は削除マーカーが付くだけで実体は残ります。さらにオブジェクトロックを使えば、コンプライアンス要件に応じて一定期間オブジェクトの変更・削除を禁止(WORM)できます。

暗号化

保存時の暗号化はサーバー側暗号化として SSE-S3(S3管理キー)、SSE-KMS(KMS管理キーで監査・キーポリシー制御が可能)、SSE-C(顧客提供キー)から選べます。現在は新規オブジェクトに既定でサーバー側暗号化が適用されます。転送時は HTTPS により保護され、バケットポリシーで暗号化されていないアップロードを拒否することもできます。

アクセス制御

アクセス制御は IAM ポリシー、バケットポリシー、ACL の組み合わせで行いますが、現在は ACL を無効化し IAM ベースで管理するのが推奨です。意図しない公開を防ぐ「ブロックパブリックアクセス」設定が既定で有効になっており、署名付きURLを使えば一時的に限定公開することもできます。

典型的なユースケース

  • 静的ウェブサイトやSPAのファイルを格納し CloudFront 経由で配信する
  • データベースやEC2のバックアップ・スナップショットの長期保管先として使う
  • 各種ログを集約し、データレイクとして分析サービスから直接クエリする
  • ライフサイクルで古いデータを Glacier へ移しアーカイブコストを最小化する
  • 署名付きURLでユーザーごとに限定的なアップロード/ダウンロードを許可する

試験での出題観点

S3 は SAA・DVA・SOA で特に出題密度が高いサービスです。SAA では「ミリ秒応答が必要だがアクセス頻度が不規則 → Intelligent-Tiering」「単一AZで安価に → One Zone-IA」「数時間待てるアーカイブ → Glacier」といったストレージクラス選定問題が定番です。プライベートサブネットから安価にアクセスする文脈では Gateway 型 VPC エンドポイントとセットで問われます。SOA ではライフサイクル、バージョニング、レプリケーション(CRR/SRR)による保護・可用性が、DVA では署名付きURLと暗号化方式(SSE-KMS と SSE-S3 の違い)が頻出です。要件にある「耐久性・可用性・取り出し速度・コスト」のトレードオフを切り分けられるかが採点ポイントになります。

関連サービス

最終更新日: 2026-06-24

本ページの内容は、AWS公式ドキュメントを基に作成し、運営者が編集・監修しています。詳しくは編集・品質管理方針をご覧ください。